商品紹介

エルノバTMV3 は、高機能でコストパフォーマンスに優れたフッ素系洗浄剤です。 高い洗浄性と乾燥性、そして非危険物化の同時達成によって高機能化を実現しました。 ベース溶剤にオゾン破壊係数ゼロであるフッ素溶剤を使用し、さらに塩素系の洗浄設備が転用可能なため、環境に優しい洗浄剤です。 またHCFC225と同等以下のランニングコストが見込めます。

特長

エルノバVの特長


洗浄特性

極圧添加剤や粘度指数向上剤等を多く含む難溶性加工油に対する溶解性に優れます。エルノバTMVR3 でリンス及び蒸気洗浄することにより、被洗物表面にシミが発生せず、ガラス洗浄、HDD洗浄等の精密洗浄にも適しています。

洗浄用途

  • 高粘性加工油
  • 切削油
  • プレス油
  • 深絞り油

位置付け

エルノバTMV3 HCFC225 臭素系 炭素水素
脱脂洗浄性 *1
フラックス洗浄性 *2
引火点 *3 ×
許容濃度 *4 ×
オゾン破壊係 *5 × ×
洗浄剤単価 *6
洗浄ト-タルコスト *7 ○~ ○~ ○~
*1 :精密洗浄レベル可能 / ○:中間 ~ 一般洗浄レベル可能 (当社洗浄試験による)
*2 :精密HIC 洗浄可能 / ○:一般PCB 洗浄可能 / △:不適 (当社洗浄試験による)
*3 ○:無し ×:有り
*4 :500ppm 以上 / ○:200 ~ 499ppm / △:50 ~ 199ppm / ×:50ppm 未満 (主成分の許容濃度)
*5 ○:無し / ×:有り
*6 :1000¥/kg 未満 / ○:1000 ~ 1999¥/kg / △:2000¥/kg 以上 (当社調べ価格)
*7 :炭化水素以下可能 / ○:炭化水素同等可能 / △:炭化水素より大 (当社推定)

洗浄システム


エルノバTMV3 の基本洗浄フロー及び蒸気発生槽付2槽式洗浄機での使用例

エルノバTMV3 : 洗浄用
エルノバTMVR3 : リンス用・補充用

基本洗浄フロー
※エルノバの使用に際しては、必ずVR3自動供給装置を設置してご使用下さい。

既存洗浄設備との互換性


エルノバTMV3 及び VR3 は、これまでのHCFC225、塩素系、臭素系洗浄剤で使用されてきた既存蒸気洗浄設備の転用あるいは改造により、 エルノバ用洗浄機として使用することが可能であり設備投資負担を軽減できます。具体的な改造方法については弊社窓口までご相談下さい。

基本性状

エルノバTMV3 エルノバTMVR3
使用目的 洗浄用 リンス用、補充用
組成 フッ素溶剤成分 フッ素系溶剤
高沸点成分 グリコールエーテル系溶剤 -
外観 微黄色透明液体
臭い 微臭
引火点
(クリーブランド開放式)
なし
沸点
(還流時の液相温度)
54℃ 40℃
比重(25℃) 1.02 1.27
粘度(25℃) 1.28 x10-3Pa・s 0.40 x10-3Pa・s
表面張力(25℃) 20 x10-3N/m 17 x10-3N/m
消防法 該当せず
水質汚濁防止法の有害物質 該当せず
大気汚染防止法 有害大気汚染物質 該当せず
環境省VOC100物質 該当せず
オゾン層破壊係数 ※ ゼロ
地球温暖化係数
(GWP CO2=1) ※
804
許容濃度 ※ 1000ppm
急性経口毒性 LD50ラット ※ 2000mg/kg以上
※ オゾン層破壊係数、地球温暖化係数、許容濃度、急性経口毒性のデ-タは主成分のフッ素系溶剤のデ-タを示しています。

素材への影響

高分子材料に対する影響

材質 エルノバTMV3 エルノバTMVR3
重量変化率(%) 寸法変化率(%) 重量変化率(%) 寸法変化率(%)
5

1

3

7

5

1

3

7

5

1

3

7

5

1

3

7

エポキシ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
塩ビ(硬質) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ナイロン6 0 0 -1 -1 0 0 0 0 0 0 -1 -1 0 0 0 0
ナイロン66 0 0 -1 -1 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0
ポリアセタール 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ポリカーボネート 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ポリスチレン 0 16 29 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ポリプロピレン 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ABS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
HDPE 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
LDPE 0 1 2 3 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0
PBT 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
PMMA 0 0 10 61 0 0 3 0 1 17 82 0 0 3 16
PPO 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
PPS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
PTFE 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0
ウレタンゴム 2 50 58 58 0 15 18 18 1 18 22 22 0 4 5 6
クロロプレンゴム 1 11 9 9 0 4 3 3 0 -1 -2 -3 0 -1 -2 -2
シリコンゴム 8 71 72 69 2 20 22 19 3 13 12 12 0 2 2 2
ネオプレンゴム 1 13 11 10 0 5 4 3 0 -1 -1 -3 0 0 -1 -2
ブチルゴム 1 7 4 1 0 2 1 0 0 -1 -1 -2 0 -1 -1 -1
フッ素ゴム(バイトン) 1 35 39 38 0 15 17 15 4 73 72 71 0 24 23 24
EP ゴム 1 1 -4 -5 0 0 -2 -2 0 0 0 0 0 0 0 -1
NBR 1 18 16 15 0 7 6 6 0 3 4 3 0 0 1 1
SBR 1 18 17 17 0 8 8 7 0 0 0 -1 0 0 0 0

浸漬試験条件

30℃に設定された洗浄剤中に各種試験片を浸漬し、エアーブローして表面の洗浄液を除去した後、重量及び寸法を測定する。

浸漬時間

5分、1日、3日、7日
※ : 測定不可

評価方法

重量変化率(%)=(浸漬後重量ー浸漬前重量)/浸漬前重量×100
寸法変化率(%)=(浸漬後寸法ー浸漬前寸法)/浸漬前寸法×100 (寸法変化率は、縦と横の平均値)

ご利用に際して


本資料中の数値及びデータは弊社での試験に基づくものです。これらの値は保証値では有りませんのでご注意下さい。 また各製品の取り扱い、保管上の注意等の詳細については「安全データーシート」を別途作成していますのでご使用前に必ずご一読下さい。
なお、この資料の記載内容は現時点(2017.2.28現在)で入手できる資料、情報、データ等に基づいて作成しておりますので新しい知見により記載内容を改訂する場合があります。

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